稲武伝統の養蚕を自宅で楽しく体験
6月上旬スタート 参加者募集中 2026.5.15
養蚕体験への参加を呼び掛ける事務局(市役所稲武支所)の後藤理恵さんと、いなぶシルクファンクラブ会長の伊藤日出夫さん。マス目の中に蚕の幼虫が入って繭をつくる。
養蚕(ようさん)の技術と文化を継承していこうと、多くの人が担い手となる分散型養蚕を試みている「いなぶシルクファンクラブ」が、今年度の会員を募集している。会員になると飼育キットが貸し出され、蚕(かいこ)の幼虫がぐんぐん成長して繭になるまでの約2週間の楽しい飼育を自宅で体験できる。先月25日には稲武の養蚕文化や活動スケジュールなどの説明会が開催された。
稲武地区では明治15年から144年間続く伝統文化として、伊勢神宮と熱田神宮へ生糸の「献糸」を毎年行っている。今回募集の会員が育てた繭から繰った生糸もその一部として使われる予定だ。募集は40組。昨年参加した23名のうち16名が継続し、新たに17名の申し込みもある。年会費は3000円。夏には生糸を使ったランタンワークショップも開催予定だ。
現在、養蚕農家は全国で113件ほどしかおらず、国内で流通するシルク製品のうち純国産品は1%未満と衰退の一途を辿っている。いなぶシルクファンクラブの事務局は、養蚕のハードルを低くすることでより多くの人たちが体験できる機会を増やし、伝統を継承している「いなぶまゆっこクラブ」との交流を通じて関心を深めて欲しいと考えている。
飼育スタートは6月上旬。飼育キットは蚕が繭を作るための蔟(まぶし=マス目)付きで、コンパクトなA3サイズ。貸し出される蚕は3回目の脱皮を終えて温度や湿度の管理が楽になる4齢の幼虫(3〜4㎝)だ。成育状況や気になったことをいつでも質問できるLINEオープンチャットを活用したサポートもある。蚕の餌になる桑の葉が近所で手に入らない場合は人工飼料を用意してもらえる。申込・問合せは事務局(市役所稲武支所☎0565・82・2511)の後藤さんへ。
【地域記者 奥田清美】